こんにちは。(@mirara_l)です。
記事の更新が、すごく久しぶりになってしまいました。
最近は、仕事が終わってからの自分だけの時間が作れれば、ひたすら勉強をしたり自分と向き合うバレットジャーナルをすることが多くて、なかなかブログの方に時間が取れませんでした。でも毎日のようにお気に入りのiPad mini6で書く日記には、何度も「ブログが書きたい」という気持ちが出てくるので、今日はその欲求に忠実に、ブログの方を優先して取り掛かっています。
さて、久しぶりなので、文章を書くリハビリのつもりで、秋から(!)読んでいた本の紹介をしようと思います。
じゃーん、これです。めちゃくちゃ良かったです!☆5です!
そもそも、この記事の中のツイートにもあるように、韓国の文学が気になっていた頃に偶然手に取った一冊。私は同性愛者で、同性と人生を共にしているので、帯を見て「カップルではない女二人が一緒に住むってどんな感じなんだろう?」という純粋な興味が湧いて、購入を決めました。
読み終わってしまうのが惜しいから、わざと読むペースをゆっくりにしてしまうほど、楽しい本でした。……というより、この二人のお人柄にとても好感をもてて、キム・ジヨンを読んだときと同じように、国が違っても女性が考えること、ぶつかること、嬉しいこと、納得いかないこと、幸せに感じることって普遍的なんだなぁと思った。
内容はいい意味で全然キラキラしていなくて、二人が一緒に暮らすというシンプルなものなんだけれど、何気なく過ぎていく日常を他人が読んでこんなに面白いと思えるように丁寧に書くことができるお二人は、天才だ……。知的で、ユーモアがあって、韓国のお姉さんたちに、憧れの気持ちをもつと共に、こんなにも一冊の本から勇気づけられるなんて……。同じ世の中に生きていて、でも違う国の文化の中に生きている彼女たちの思ったことや感じたことを、日本語で理解しながら読めることに幸せを感じました。
とは言っても、本を読むまでは一抹の不安がありました。恋人ではない二人が一緒に暮らして、こんな風に本にまでなっているんだから、「もし私がレズビアンじゃなかったらどうしよう」と。これまで私は、女性のパートナーと一緒に暮らしてきて、幸せだし満たされていると感じていて、自分のことをレズビアンだと信じて疑わなかったけれど、もしこれが「この二人のように“気の合う女同士”という関係を求めているだけだったとしたら?」と少しだけ不安な気持ちがありました。
でもこの文章まで辿り着いて、ようやくほっとしました。(……正確には、読み始めたときから杞憂だと気付いたのだけれど)
今、そばにいる人が私の家族です ―316ページ
こんなシンプルな文。これで、私の不安は一つもなくなったのです。くだらない話をして笑い合って、お互いの大好きなものについて話して、一緒にご飯を食べて、たっぷり寝て、しっかり働いて。そうやって過ごす関係が家族でなければ、一体なんだというのでしょうか。どんな形の家族があってもいい。一緒に生きていく二人が、国に何らかの形でも共に歩む人生を保証されていない現状は、やっぱりおかしいことなんだよな、と改めて思うことができました。(ちゃんとそのことにも言及して書いてあって、嬉しかったです)
個人が喜んで誰かの福祉になるためには、法と制度の助けが必要だ。以前とは違う多様な形の家族が、より強く結ばれ、もっと健康になれば、その集合体である社会の幸福度も高まるだろう。 ―320ページ
あとは、この本を読んで、パートナーと暮らすにあたって心がけておきたいことが増えました。そういう視点を持っていればいいのか……!と。例えば、
私が学びとったけんかの技術は、心を込めてすぐに謝り、自分がどんな間違いを犯したのかをきちんと把握して自分の口で確認し、相手の気持ちを考え、尋ね、共感することだ。 ―140ページ
というファン・ソヌの柔軟な考え方とか、
料理を作ってくれるのは、純粋な行為に基づく高貴な行為であり、とても面倒なことだ。 ―187ページ
という、キム・ハナの心からありがたく手料理をいただこうとする姿勢とか、
ひとりですることは全て記憶になるけれど、一緒にやれば思い出になる ―23ページ
もうすべてのページで首がもげそうになるほど頷けるというか、二人暮らしの尊い部分を、改めて俯瞰的に見て感動したというか。お二人の些細に思えるけれど暮らしの中でのそういう視線って、本当に大事だなぁと思っていて。バイブルにしたい本でした。この一冊は、確実に本棚行きです。
我が家はパートナーがファン・ソヌのように手際よく料理を作れる人で、私はどちらかというとキム・ハナのように掃除や整理整頓の方が好き。だからこそ通じる部分があって、とにかくいつまでも思いやりと感謝を忘れずに暮らしていきたいなと思いました。
そうそう、お二人の家にはお互いが飼っていた猫ちゃんが登場するのですが、その子たちも一緒に家族になったというエピソードもキュートで好き。
二人の部屋に入り込む柔らかな夕日や、海辺のバーのようにおしゃれなBGMが流れる空間を想像して、私たちも、おばあちゃんになったときの夢を今から見たいなと思いながら、本を閉じました。本当におすすめの一冊です。