熱帯夜

女として女に愛され愛したい

レズビアンである私が好きな男性、嫌いな男性

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レズビアン的男性考察

 

う〜〜〜ん、やっぱりコイツ苦手……。と思う男性が職場にいる。何でこの人のこと、こんなに苦手って思うんだろう?とか色々考えてると、そういえば前の勤務地で働いていた頃から苦手な男性がたくさんいたことに気付いた。でも苦手じゃない男性もいる。違いはなんなんだ?と考え始めたのが、この記事を書くにあたった経緯。

いま苦手で苦手でしょうがない男は、とにかく女性を女性としてみる人?なんて言ったらいいんだろう、自分が男性優位に振舞っても怒らない女性を、女性扱いする人、というか。多分その男の中で、女は常に自分に対して笑顔で口答えしないのが当たり前だと思っている節が見受けられるので、苦手なんだと思う。私はその男に、そいつの理想の女の姿なんて見せてやらないことにしている。でもそうすると、きっと無意識なんだろうけれどその男は勝手に不機嫌になって、会話するときも表情が変わらなくなる。めんどくさいなーと、思う。

 

困ったおじさんたち

 

今まで出会ってきた苦手な男性に共通するものは、『私に私が女だと思わせてくる人』。例えば信頼していたボスだって、久しぶりにお会いしてお話したいです、なんて伝えたら「会いたいってことは、いい話?(そろそろ結婚の報告でもしにくるのか?)」だし。その前のボスは、執拗に自分の友人か知り合いかなんだか知らないけど、その息子を私に会わせたがった。彼曰く「禿げてるけどいい奴」なんだそう。

中ボスなんてもっとひどい。前の職場では宴会で酔っ払うと必ず私を隣に置いた。文字通り、置くというのが正しいぐらい、私は彼の中での基準で【女】だったんだと思う。俺の隣には【女】が必要。隣はmiraさんと◯◯さん、おいで、と。嫌だと言えない。だって上司だから。この先の私とパートナーの人生がかかっている仕事だから。ヘマはできない。日常にある#MeToo。

今の中ボスも同じ。冗談を言うときには必ず男女を連想させることでしか笑いが取れない。私は帰って1人で暮らす【女】。「帰ったら、電気が付いていなくて寒い部屋だね?まずはエアコンをつけて料理の支度をしないとね」なんていう終業の挨拶を笑顔で交わし、暗い気分になる毎日。「花みたいにきれいですね」「男性は女性の前では弱いですから」。私以外の女性にも同じように性差を感じさせる言葉でコミュニケーションをとる。私以外の人はどう思っているんだろう……と考えてみるけれど、ほとんど所帯持ちの中年女性なので、その心意は分からない。

庶務を色々としてくれるおじいさんに至っては、男性にはとてもいじわる。パワハラし放題。自分は冗談と思っているのかもしれないけれど、私たちの年代からしたら本当に害悪な関わり方しかできない人。気に入っている女性には自分の年齢を楯にして少し困った笑い顔が手に入るような接し方をする。もちろん私は、この世界で生きていかなくてはならないから、こういうお年寄りを敵にすると面倒ということもあり、困ったような笑い方で対応する。彼の好みの女性は「物を言わず、黒髪でおとなしい女性」だそうだ。

同僚は、お茶だ食事だ、その約束の裏には(コイツのプライベートを暴いてやろう……)という気持ちが見え隠れする人ばかり。「いい人いないの?」「彼氏は?」妙齢の独身女が自分のことを積極的に明かさず、早く家に帰っていくんだから、そんな想像もしたくなるんだろう。

他にも、年賀状を1度も自分で用意したことがないおじさん(「お母ちゃん」(←奥さん)に全部やってもらってるんだそう)や、今まで一度もご飯を炊いたことがないと自慢するおじさん、色々なおじさんがいて、それはもう地獄だ。毎日、地獄に出勤している。

究極に疲れた、と思うときがある。
こんな古い世界で生きていたくはないと。

家を出る前の私みたい。出てみたらあっけないものなのに、仕事となると人生がかかってるからどうにも動けないでいる。この職業の安定は今の世の中で同性と暮らしていく上で絶対に強みになるから、逃げてしまいたいと思いながらも、なんとかしがみついている。

 

私が好きな男性の共通点

 

じゃあ、今まで一緒に働いていて、気持ちがラクだった男性はいなかったのかというと、いた。2人いた。その2人に共通するものは何かを考えてみた。

 

  • 変にプライベートに突っ込んでこない
    →自分のプライベートや現状に満足している雰囲気が伝わってきた。
  • 私を女扱いするにしても、下心や男性優位的な気持ちがない
    →女男で得意な部分を補い合える、性差を尊重し合えていると感じる人だった。
  • 性について強調しなくても、楽しい話ができる
    →【男】である自分に、ではなくて、【個人】としての自分に自信があり、余裕が感じられる人だった。

彼らとは心地よく仕事ができたことを思い出す。信頼していたし、何より尊敬していた。いまも継続して、尊敬している。あんな人になりたいなあ、とも思う。そういう人たちから、一目置いてもらえるような人になりたい。

 

やはり基本は個人対個人であるべき

 

こうやって、性を意識しないで会話ができる異性愛者の男性は数少ないのかな。女性のことを異性愛者の【男】である自分から見た【女】として見ない男性。【個人】としての自分から見た【個人】の私と話してくれる男性。対個人同士として会話したり、仕事したい。日本では無理なのかな。

どの会社に勤めても、苦手なタイプの男性、また反対に好ましく思えるタイプの男性と両方いるのだろうけれど、私が勤めている業界では、まだまだ性に関しての取り扱いや表現方法が幼稚で成熟していない、と感じる。

念のため書いておくと、好ましく思える=性愛ではないから、私はレズビアンで、私の【女】としての性はあくまで女性のための性だと思っている。同じ理屈で、ヘテロ男性が俺の【男】としての性は【女】のためのものだから、と性に関連した話を所構わず出してもいいと?仕方ないと?それは違う。出しちゃダメ。仕方なくない。大人であるならば、それはダメだ、と気付かないと。

私が自分の性対象である女性に対して、冗談でも性に関連した話をしてコミュニケーションをとらないのは、相手の性を全部まるごと尊重したいからだ。「え、帰ったらご飯作って彼女が待ってんの?」「私にとってのいいオンナの条件はね……」「飲み会?なら私の周り女で囲んでね」レズビアンの私がこんなことを言ったら、と考えてみたらよく分かるのに。男性は女性を尊重しなくていいんですか。いいはずないでしょう。

目の前にいる相手の性的指向がどこに向くか分からないのに、自分のものさしで性の話を無邪気にすべきではない!!!!!(大声)

最近のモヤっとを吐き出せたら、ちょっとすっきりした。すっきりしたけど、また同じ空間に明日も出勤しなければならないと思うとやっぱり心が重たくなる。

 

同性の婚姻にまつわるニュース

 

いよいよ動き出しましたね。私たちも3年前に同性婚ができるような日本になりますように、と申立人のサインをしました。あのときは連名でサインができるという小さな事実だけなのに、嬉しくて手が震えました。

3年経っても結婚ができないことに代わりはありませんが、こうして原告の方々の勇気と、一緒に戦ってくださる団体のおかげて世の中が少しずつ、変わり始めています。

 

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この記事も、最近読んで胸が痛くなりました。まるで同じ道を進んでいるような気がしたからです。つまり、まだ私より10歳ほど若い同性パートナーと結ばれたい子たちも、私たちと同じ気持ちになってしまう未来が待っているとしたら、耐えられないと思ったからです。なぜ好きになる性別が同性だったからという理由で、転職をしなければならなかったのか。この中にいまの日本でクローゼットとして生きているオトナの全てが書いてあると言っても過言ではありません。

 

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私にはいま、何ができるかなと思ったら、ブログを書くことでした。小さな声でも上げていく。少しの違和感も避けないように、どんな感情とも向かい合って噛み砕いて対話する。それは自分とだったり、家族や友人や他人とだったり。でも決して相手の考えを否定することなく、自分の中に置いておく。知ること、話すこと、諦めずにいたい。