熱帯夜

女として女に愛され愛したい

結婚があなたの幸せでしかありませんように

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こんにちは。mira(@mirara_l)です。お久しぶりです。毎回最初がお久しぶりのご挨拶になってしまっていますね。

 

この度、妹が結婚しました。

 

sultrynight.hatenablog.com

 

思うところがたくさんありました。嬉しかったです。寂しかったです。楽しかったです。切なかったです。幸せでした。悲しかったです。色々な感情が渦巻きすぎて、大好きな手書きの日記にも書けず、もちろんプライベートの日記帳のようなここにすら、すぐには書けませんでした。

(こんなことにもちろん、だなんて使いたくないけれど)もちろん、パートナーは長女の嫁としての出席はできませんでした。でも現実、あの祝宴の席に座っていたら思います。とてもこの社会じゃ、この親族の前には無理だと。「男女」のお家同士の結びつきをこんなにも大事にしている両家の前に、私は小さな子どものような気持ちで、ただ「無理だ」と呟きました。「私とパートナーと、この人たちは全く関係がない」と言い聞かせなければというか。別の世界に住む人たちだと改めて実感するようで、寂しかったです。

私の妹はとても綺麗でした。すごく、すごく、綺麗でした。ずっと一緒だった大好きな妹が、途中からふっと出てきた、私の人生にはいなかった男の人の隣で「妻」と紹介されています。自慢の妹だから、どうかどうか大事にしてくださいと伝えました。それでもふざけたように、おどけたように伝えるのが精一杯でした。妹を大事にする気持ちを真剣に伝えたなら、一緒に過ごしてきた時間のことを走馬灯のように思い出して、すぐにでも泣き出してしまいそうだったから。

 

ハレテフウフニナレテヨカッタ

 

私とパートナーとの関係をあれから一切口に出さないで、聞かなかったことにでもしているような父親は、妹がいない帰りの車の中で彼女が「妻」と紹介された瞬間のことを思い出し、「晴れて夫婦になれてよかった」と泣いていました。私はそれを聞いた瞬間、別の意味でたくさん泣きました。涙を出さずに、心で泣くことには慣れています。

きっと一生、私にはもらえない言葉でした。「ハレテフウフニナレテヨカッタ」。素敵な響きでした。私も父親からそんな風に言ってもらいたい人生でした。きっと死ぬ間際には、ウェディングドレスを着せてもらいたい。そして法的には何の効力もないけど、それでもいいから私たち2人の婚姻届を書かせてもらいたい。

 

新婚への憧れ

 

いつの間にか熟年ふうふになってしまいます。結婚ができないのに、ふうふとしての形だけは日々熟していく。たとえこの先、法律婚ができる未来が日本にやってきたとしても、俗に言う『新婚生活』という言葉を、私たちが結婚できていたとしたなら新婚であるいま、まだ若いうちに使うことが叶いませんでした。まだまだ差別・偏見が蔓延るこの社会に私たちの『新婚生活』を奪われている真っ最中です。

そんな新婚時代であるはずのいま、一緒に暮らしている楽しいことや大変なことを会社に公表もできていないので、職場の人間からは、なぜか実家になかなか帰らない、ふわふわした宙ぶらりんな一人暮らしの娘として扱われます。私は家族の中だけでなく、社会からも家庭をもった一人の女性、とは見てもらえません。男性と結婚をしていないから、まだまだ情けない娘として扱われるのです。

同じ年代の人が男女関係なく、結婚していると一人前として扱われるのを見て、本当に仄暗い気持ちになるのです。「たまには実家に顔だけでも見せてあげたら?」という言葉。結婚して家庭をもつ女だったとしたら果たしてそう簡単に出るものでしょうか。

こういうことが積み重なって、私たち性的少数者は疲れていきます。少しのダメージに見えても、どうすることもできない苦しみは、私たちの心や精神をえぐっていきます。逆に誰かが少しでもこちら側の気持ちを想像してくれたら、それだけで救われます。

だから結婚が決まったときに妹に言われた、「本当は○○ちゃん(私のパートナー)も呼びたかった、ごめんね。お姉の結婚式には呼んでね」という言葉だけで、私は前を向いてパートナーとの人生を歩むことができるのです。
 

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昔から母親に言われていた「女の子らしくしなさい」「女なんだから」という言葉は、私の向こうに男の人を想像した言葉でした。だから素直に受けることができませんでした。私は女の人のために女らしくしていたい。それを知っているのは妹だけかもしれません。

最後にくれた手紙のせいで、結局泣いてしまったけど、そこには「どんなことがあってもお姉は私のお姉だよ」と書いてくれていました。カミングアウトしたその日も、その前も、その後も、何も変わらないでいてくれているのは、結局妹のあなたたちだけだよ。本当に優しくて気遣いができる、でも色々なことを考えすぎてしまう内弁慶でかわいい次女。私にはもう一人妹がいるけれど、同じように愛している。大事な妹たち。どうか幸せになって。

もう籍からは抜けて名前が変わってしまった。これから別々の人生を進むことになるけれど、ずっとずっと仲良くしようね。私もパートナーとの人生を選んで、幸せです。これからのお互いの人生が、きっと良いものであり続けますように。

結婚、おめでとう。