熱帯夜

女として女に愛され愛したい

2019夏は、もう帰ってこない

今週のお題「夏を振り返る」

こんにちは。mira(@mirara_l)です。
夏を振り返ろう。

去年の夏は、研修だらけで気持ちに余裕がありませんでした。引っ越して同棲が始まったばかりの夏だったしね。今年はパートナーと迎える2回目の夏。研修が去年よりも少ないとはいえ、それなりには入っていて、8月のある1週間なんて毎日朝から晩まで研修だった。へとへと具合を思い出す。パートナーは新しく仕事をし始めたりして、遊びの予定も大きなものは入れられなかったな。

それでも今年の夏は充実していた。というのがおおまかな感想で、それはきっとパートナーも同じだと思う。予定を詰め込みすぎてクタクタになってしまった去年の反省を生かして程よく夏を過ごせたんじゃないかなって。

お盆を避けて、パートナーの実家に帰省した。短い間だったけれど、パートナーもパートナーのママも嬉しそうでリラックスしていて、とても嬉しかった。

 

 

私がまだ小さかった頃、実家からおばあちゃんの家(母の実家)に帰省するときが、夏休みの楽しみだったことを覚えている。そのときパパはいつも、最初は少し他人行儀に謙虚な様子で正座なんかして「ご無沙汰しています」と、おじいちゃんとおばあちゃん(ママのママとパパ)に挨拶をしていた。そしてお仏壇に行って、勝手にお経をあげていた。

そのうちに、ここはママの実家だっていうのに、リビングでいびきをかきながらお昼寝を始めるパパ。それをみんなが普通のこととして捉え、ママは特に咎めることもなく、おばあちゃんがタオルケットをかけてあげたりしていた。小さな私はそれを観察していたような気がする。

いつの間にか、私もパパのようにパートナーの家でくつろぐような大人になってしまっていた。さすがにいびきをかいて寝ることはしないけれど、ちょっと自分でも図々しいと思うほどにリラックスして過ごしている。パートナーの実家が好きだ。相手の家族を好きでいられる関係は、とても心地よい。

今年、パートナーは実家から自分たちの家に帰るときに泣きじゃくらなかった。もちろん寂しい気持ちは去年と何一つ変わっていないことは知っている。それでも、去年より少しだけ冷静に「寂しい」と言って、涙を溜めて笑っているあなたをみて、安全運転で自分たちの住処に帰らなくちゃ、とハンドルを握る手に力がこもった。

帰ってから、私はしばらくのお休みを満喫し、現実世界からここぞとばかりに距離を置いていた。パートナーは通常通り、仕事に復帰した。たくさん本を読んだ。たくさん犬と触れ合った。たくさん休んだ。とても充実した夏だった。

 

 

最後の日に、2人で夏祭りに出かけた。地域が主催している、それほど大きくない規模の夏祭り。それでも、一緒にお祭りに行くという経験が初めてで、2人ともわくわくしていた。浴衣じゃないけれど、突然の雨なのに折り畳み傘1個だったけれど、ビニール袋を敷いて座ったけれど、それは紛れもない若ふうふが経験した初、夏祭りだった。

 

 

そんなこんなで私たちの2度目の夏が終了した。9月に入ったのにも関わらず、まだバカみたいに暑い。早く堤防沿いの美しいススキが見たい。

とりとめのない日々、だけどそれなりに幸せに過ごしています。

あなたと同じ家に暮らし始めて2度目の夏が過ぎていく。

 

パートナーの変化

 

暑がりのくせにすぐに手足が冷える私と、正しい体感を持ちながらも、すぐに汗をかいてしまうから扇風機が手放せないあなた。1度目の夏は、環境に慣れることができずにまだまだ家にこもっていたあなた。それがいつの間にかこの地に慣れていき働き口を決めてしまった。原付自動車ではあるけれど、免許証も取りにいって、その自然な流れでバイクを購入してしまった。

ずっと怖がっていた、不安がっていたこの日々が、どうか幸せであればいいなと思う。そして同時に、私の車の助手席に乗って田んぼ道を見る度に、実家を懐かしんで涙を流していたあなたの横で、未来のこの日々を信じるしかないと強い決意でいた自分自身に感謝の気持ちでいっぱい。

仕事を見つけてきてくれたのも、一緒に生活を潤していこうという気持ちが伝わってきて、休みの日に車で送迎する私はとても幸福な気持ちになる。おかげさまで、日々の家計は「それなりに」回っている。

 

私の変化

 

彼女が働きに出るようになってから、私は少しだけど料理をするようになった。「美味しい」と食べてくれる歓びを知ったから。実家にいるときには、全く家事をしようとしない私に、母は将来のために少しぐらいやりなさい、とお小言を言ったものだが、その言葉は「(男性と一緒になる)将来のために」だった。だから頑なに家事をしなかった。

だけど、今こうして女性と一緒に生活していく中での家事は、こなすべき仕事として自然に受け入れられている。私は「(女性と一緒になる)将来のために」なら、進んで家事ができることが分かった。

決して好きとは言えないし、面倒くさいんだけれど、それでもパートナーと一緒に手分けして家事をこなす瞬間は、「ああ……私、今まさに人生の伴侶と生活しているんだなぁ……」と幸福に思ってしまう。

 

私たちの大切ないのち

 

そして、私たちの娘も元気に生きている。いつの間にか5歳になってしまったらしい。私はその4年間の成長を間近で見ていないから、今まさに取り戻すようにベタベタとくっついて過ごしている。あと2年でシニアになるなんて信じられない。そんなことを本気で考えては、涙を流すことも稀ではない。私たちは「犬」にめっぽう弱い。

この子を見つけたあの日から、彼女の実家にお世話をお願いするまで、仕事場から毎日お店に通った。それこそキャバクラに通う女のごとく。それはもう熱心に。毎日会いにいって、ただガラス越しにじゃれて帰ってくる。幸せな毎日だった。

それでも今の方が幸せだ。と犬キャバクラに通っていた道を走る度に思う。24時間空調の管理された涼しい部屋の、それまた小さな部屋の中のベッドで、気持ちよさそうに眠っているであろう娘の姿を想像して。最近は溺愛が行き過ぎて、書き物をするときにもスリングで包み込んで寝ている彼女を傍から離さないでいる。いい迷惑だ、なんて顔をこれっぽっちもしないから、調子に乗ってしまう。

 

私なりの2度目の夏の過ごし方

 

最近は読書を愉しんでいる。仕事はあるけれど、実質ここでしか有給休暇を消化できない私の職業。必ず行かなければならない日以外には有給を使って、専ら活字を追いかけることに熱中している。書店に行ってインスピレーションで選んだり、図書館に行って前から読みたかった本を探したりして、好きなように活字と戯れている。

9月から、また仕事が始まってしまうことを知ってか知らずか、パートナーは「今のうちにお休みを満喫しておきなよ」なんて優しいことを言ってくれる。いや、優しいととれば優しいし、嵐の前の静けさだよ、なんて忠告にも聞こえてしまうけれど。それでもこの4月から7月までの繁忙期を完璧に乗り切った自分に今だけは優しくしてあげようと思う。

 

最近読んだ本

まなの本棚
まなの本棚

まなの本棚

 

まっすぐなんだよな〜!こんな風に(無類の読書好きとして)芸能界に戻ってきてくれるのが嬉しかったのと、愛菜ちゃんの中で『読書』っていうのがどんな意味を持っているのかを知りたくて買った本。いやー……感服です。予想以上に色々な種類の本を読破してらっしゃった。今後、本を読む上で参考にしたくなるレビューがたくさんありました。これは、間違いなく私の本棚行き。 

 

密室 本能寺の変
密室 本能寺の変 (祥伝社文庫)

密室 本能寺の変 (祥伝社文庫)

 

積ん読本でした。『戦国鍋TV』や『舞台 幻の城』を観劇して以来、すっかり歴史好きになってしまった私。特に風野真知雄さんや、宮本昌孝さんの書く小説が大好き。引越しも落ち着いて、やっと放置してある荷物に手をつけられそうな心持ちになってきたので、1冊引っ張り出して読んでみました。

めちゃめちゃ面白い……!本能寺の変は最近だと『映画 刀剣乱舞』や、『舞台 刀剣乱舞』でも面白い書かれ方をしていますよね。それらとはまた違ったストーリーで、しかも歴史上の人物たちは私の理想そのものの感情で物事を考えたり発したりしていて、最後まで頁をめくる手が止まりませんでした。読めば読むほど、織田信長が分からなくなる。

 

行きたくない 
行きたくない (角川文庫)

行きたくない (角川文庫)

  • 作者: 加藤シゲアキ,阿川せんり,渡辺優,小嶋陽太郎,奥田亜希子,住野よる
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/06/14
  • メディア: 文庫
  • この商品を含むブログを見る
 

たまたま書店で手に取った本。自分と同じ職業のストーリーも載っていたので気になって購入。普段読まない作家さんの文章も読んでみたかったので。合う合わないはありましたが、小嶋陽太郎さんの「シャイセ」という話が1番のお気に入りになりました。今まで読んだことのない文章なのに、なぜか自分の中にすうーっと入ってくるテンポで、最後まで完璧な物語だったなぁ。この人の書かれた本をもっと読みたいと思いました。

いろんな「行きたくない」が詰まった本で、私たちの身の回りにありそうな話を丁寧に書かれているフレッシュな作家さんたちを知るにはもってこいでした。

 

読書する人だけがたどり着ける場所
読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)

読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)

 

完璧にタイトル買い。夏は自然と本が読みたくなるけれど、さらに読書のモチベーションが上がるかなぁ、と思って買った本。

頭のいい人のありがたいお話、って感じの本でした。私はまだこの人のレベルに達していないです。でも読書をした方がいいってことだけはハッキリと分かったので、収穫はあったのかな?

 

レオとマブ
レオとマブ~ふたりはさらざんまい~ (バーズコミックス ルチルコレクション)

レオとマブ~ふたりはさらざんまい~ (バーズコミックス ルチルコレクション)

 

ひたすらレオマブコンビがかわいい漫画でした。この2人にはどの世界でも一緒になって幸せに過ごしてほしい!パートナーのおすすめで見た、『さらざんまい』というアニメのスピンオフ漫画です。2人がパパをやる話。そう聞くだけで幸せだね。2人パパ。よき。

 

こんな感じで

 

自分の読みたいものを読みたいタイミングで愉しんでいる毎日です。ああ、あとちょっとで多忙の毎日が帰ってくるのか……。仕事場に顔を出していないツケが怖いです。が、もう少しの間、自分と家族に甘く過ごしたいと思います。また近況報告します。それでは。

レズビアンの私が苦手なCM

こんにちは、mira(@mirara_l)です。
今日は、レズビアンの私が苦手なCMについて書こうと思います。

もともとテレビはそんなに見ない方。しかしパートナーとの生活を始めてから生活の中の音として流しておくことが多くなりました。だからCMを見る機会って結構あって、それらが異性愛者しか想定していないものであることに、イライラや寂しさや悲しみを覚えます。

中には個人的なものもありますが、代表的なものからいくと、これ。これは結婚したい同性愛者からしたら苦しいと感じる人が多いのではないでしょうか?

 

ゼクシィ


ゼクシィCM「花嫁の歌」篇 60秒Ver.

『あなたと幸せになることを、私は、私に誓います。』
それを周りに表明できる場を生まれたときから手に入れられていていいですね?と卑屈な気持ちになりますねぇ。

このCMの動画の概要欄には、

 

『あなたと幸せになることを 私は、私に誓います。』
結婚を迎えた花嫁が、この先の未来を一緒に生きていく相手と幸せになることを、他者や常識なのではなく、自分自身に誓う。その強い意思を表現したのが、今回のCMです。ご覧いただいた方が、大切な誰かを思い出したり、自分の意志と共に幸せな未来を想像していただけれると嬉しいです。

 

と書いてありました。同性愛者の私にとっては、自分の意志を持っていても、この人たちのように幸せな未来を想像できなくて絶望するCMです。

これ以外にも、ゼクシィのCMには何度も何度も傷つけられてきました。CMってのは、見たくなくても目に、耳に入ってくるからつらい。宣伝になってしまうならリンクも貼りたくないぐらいなんだけど、よく見ると結婚の権利を持った人にしか響かないCMであることにお気づきいただけるのではないでしょうか。

 


「式場探しは、ゼクシィ」CM 相談カウンター関東篇


この幸せそうな花嫁たちのようにはなれない私としては本当に殺意が湧くCM。私もこんな風に綺麗なお姉さんに清潔なカウンターで幸せな結婚を相談したかったなぁ。つらみ。

 


ゼクシィCM「私は、あなたと結婚したいのです」風船篇

 

 

これにもずいぶん怒っていました。正しくは、『結婚するのかしないのかを選べる人たちが、あえて結婚を選ばずに幸せになれる時代 』ですよね?ただでさえ異性同士のカップルというだけでも生きやすいのに、結婚せず【内縁】という便利な制度を使えるんですものね?のん気でいいね〜というね、毒舌にもなります。

 

マイナビウエディング


マイナビウエディングCM ふたりの反省会篇 30秒Ver 出演/新田真剣佑・吉川愛

 

結婚式が終わった後の、こういう会話。結婚式の準備をする中での数々のけんかを振り返りながら「それでも、やっぱいい式だったね」なんていう会話。めちゃくちゃ憧れでした。でした、って過去形にしたくなるほど、私には縁遠い、起こりえないことなんだろうなって悲しくなるCMです。

実の父母にはこの関係を友達と認識され、会社では独り身だと嘘をついてパートナーの存在を隠し、相手が緊急事態のときに家族と認めてもらえないので何の決定権もなく、扶養の制度もなく、遺産相続の権利もなく。法律上は何も保証がないのでただの他人同士。

こういうCMに文句言うことぐらい許してよ。

 

myblu(マイブルー ) 

www.blu.com

 

マイブルーは個人的にお世話になっている電子タバコなのですが、このCMの最後がレズビアンの私的には残念。

「この香り、ズルい」

マイブルーを吸っている男性に向かって、おそらく同僚の女性が恋する目をして内心呟くんだけど。これはねぇ、なんか異性愛者のドラマを見ているときと同じ気持ちになるなぁ。女性が女性に言ってるCMが見たい。女性が女性に恋するドラマが見たい。

確かに異性愛者の方が多い世の中だから、そっち側に合わせた方がきっと売れ行きもいいのだろうし、共感も得られるのだろうけど!それでも最後でがっかりしてしまうレズビアンなのでした〜。

 

メナード 薬用 ビューネ


薬用 ビューネ CM 「聞いてよビューネくん篇(30秒)」

 

私が幼い頃から存在するビューネくん。
これ、全く購買意欲を刺激されないんだけど、よく考えたらビューネくんがビューネさんだったら買いたくなるのかなぁ、と思いました。いつでも癒してくれる駆け込み寺のような場所にきれいで優しいなビューネさんが待っててくれるCMだったら。

化粧品メーカーも同性愛者を想定していないCMは結構多いんですよね。女性向けのスキンケア商品のCMに男性タレントを起用する会社がたまにありますが、私たち女性は必ずしも男性のためにきれいになりたいわけじゃないんです。異性愛者の女性だってある程度一緒じゃないかと勝手に思うんですが、実際はどうなんでしょう?

大切な誰かに褒めてもらいたくてきれいになりたい、と思う気持ちはもちろんあるかもしれないけど、メイクとかスキンケアって、基本的に自己肯定感を保つというか、自分の精神の安定のために丁寧に行うっていう人、私以外にもいませんか?

男性タレントを出す意味がよく分からない。自分に与えられた仕事をこなすその男性タレントは悪くないと思うんだけど、それを企画した人の意図が知りたい。きれいだね、かわいいね、って言われたい相手が女性であっても男性であってもいいじゃないですか。男性に言われたいんだろ、っていう暗黙の雰囲気が苦手なCM、多いです。

 

ライザップ 補正下着 マルコ


三浦翔平、石黒エレナをお姫様抱っこ 「MARUKO」新CMが公開

 

こ・れ・も!私は男性にお姫様だっこをされたいんじゃない!女性の腕に絡まるように歩いたり、手のひらをそっと支えてエスコートしてもらいたいの!私の背が高かったら、逆でもいいけど……。

とにかくボディメイクをしたことで、どうして男性に褒められる設定を強制されているんだ?と混乱するCMです。

 

ハヅキルーペ


【ハズキルーペ 公式CM】クラブ 編

 

もうこれは普通に女性だったら作らないでしょ、っていうCMじゃないですか。気持ち悪い。このブログ記事を書くにあたって検索してみたら、結構不快感をあらわにしている人が多かったです。レズビアンであるかどうかは関係なく、いち女性として気持ち悪いと思う感情が共通だったみたいです。これをよしとしている社会が気持ち悪い。

探せばもっともっとあるんだろうけど、いま思いつくのはこの辺りかな。またモヤモヤしたら、Twitterとかで呟きます。私たち日本人が持っている、異性愛者のみで暮らしているような錯覚は、きっとこういうCMからも受け続けてきたんだろうなーと思う最近です。

 

番外編

これは性的指向関係なしに苦手なCM……ww

 


自動車保険CM「天体観測」篇(30秒)|アクサダイレクト

 

これにいつもマジでいらついてしまう。ぶつけた瞬間の音に舌打ちしている私を笑うパートナー、というのが我が家の日常です。またね。