熱帯夜

女として女に愛され愛したい

【読書感想】『西の魔女が死んだ』梨木香歩 著

この本との出会い

 

この本は、読もう読もうと思って買ったものではなくて、遠出をするときにカバンの中に本が1冊も入っていなくて、駅のおみやげ屋さんで偶然、手に取ったものなのです。そんな本との出会い方も、結構好き。

わたしは普段から本を持ち歩いて好きなときに読みたい人なので、文庫本を買うことが多いんです。ハードカバーはあまり持ってない。わたしが持っている文庫本よりは、薄めの本だったので軽い気持ちで読めるかな、と手に取ったのでした。

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本の感想

 

とっても綺麗な色の本だったんです。この著者の名前から梨を思わせるような、薄い黄色と黄緑の。きっとあったかい内容なんだろうなーって思っていました。

内容は、優しいおばあちゃんと、真っ直ぐな性格の孫の話でした。個人的に、半年ちょっと前におじいちゃんを亡くしたので、こういう祖父母のあったかさを感じる内容の本を手にとったのは、偶然じゃなかったのかもしれないなぁ。

学校に行けなくなってしまったまいちゃんが、おばあちゃんのいる田舎で心の元気を取り戻していくのですが、この年代の真っ直ぐで純粋な気持ちをおばあちゃんが優しく受け止めてくれている描写を見て、自分がその頃の祖父母も、こんな風に私を守ってくれていたのかな、と少し懐かしい、ノスタルジックな想いに駆られました。

祖父母というのは、両親とは違った愛情を注いでくれる大切な人物です。きっと、両親は知らないやり取りが、孫との間にはあるものです。大人になる前の、孫と祖母の温かくて優しい関係を、死んだ西の魔女は教えてくれたように思います。 

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)