熱帯夜

男も女も犬も子どももいる世界で過ごす、私、miraの物語。

男も女も犬も子どももいる世界で

お二人とも強くて凛々しい女性だ。他の誰のものでもない自分の人生を大切に思い、それでいてきちんと自分の考えをもっていて、的確に言葉にしている。素敵な方たちだ、ほんと。

 

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仕事場でこのブログ記事を読んで思うところがあったので、わたしもできないなりに頑張って気持ちを整理整頓してみることにします。

 

それにしてもなぜこんなにモヤモヤするんだろう

 

多分お二人の書かれることを気持ちでは分かっていても、自分の父親にはとても通じないと諦めてきたからかな。そして当事者の自分だけが分かっていても意味がないというどうしようもできない気持ちが黒い塊みたいになって心の中を浮遊していました。

例えばわたしの父親が多様なライフスタイルに対して明らかに無知であること、そして意味のない(と、きっとうちの父親も無意識に思っているであろう)同性同士の恋愛に対して。あの人の長い人生の中で育まれてきた価値観や感情を覆す為に、言葉で説明して理解してもらう、要するにそういう関係もあるんだってすんなりと受け入れてもらう?そんなことが果たしてできるのかなぁと期待すると同時に、絶対に無理だろうなっていう暗い気持ちも襲ってきて。

実際、母にカミングアウトした当初、どれだけ言葉で説明しても無駄でした。あのときは今みたいに諦めの感情はなくて必死に必死に言葉を紡いで説明しようと、「理解してもらおう」としていたんですね。でも「理解してもらおう」とするときって、きっと駄目なんですね。全く伝わらない。これはカミングアウトに限った話ではないと思いますが、理解してもらいたいっていう感情が相手の中に少しでも見えると反論したくなったり理解したくなくなったりする生き物なのかなぁ、人間って。

わたしに“「普通」の子でいてほしい”という思いが、会話のところどころに見て取れた。……ああ、ママの中の「普通」は。ママの中の「普通」は、ぜんっぜん認めたくなかったけど、わたしの中の「普通」とは違うんだ。と気付いた瞬間だった。寂しかった。すごくすごくすごく寂しかった。寂しかったけど同時に、もう説明するに値しない、って思った。これはきっと説明で解決できる問題ではないんだって。今でもまだ「だってこんなにかわいい子なのにもったいないと思っちゃう」という発言をすることがある。きっと、男女で恋愛をすることが当たり前という彼女の「普通」の中で生き続けるわたしは、ずーーーっともったいない子のままなんだろうなって思う。わたしは「理解してもらう」ことを諦めた。

ママと同じ「普通」で話せたら、どんなに楽しかっただろう。パパみたいな人を選んだよって彼を紹介できたら。わたしたちの「普通」が一緒だったらね。それでもわたしの「普通」は「女として女と生きていくこと」だから。

 

人は変えられない、だからどうするか

 

もうそういう人たちの考え方を無理に変えようとはしないことにしました。だっていくら説明しても分かってもらえなくて自分も傷つくし、正直に分かっていないと言えば相手も傷つけてしまうから。当時のわたしはそのやりとりにとても疲弊していた。だからそれからわたしは、わたしの普通はコレ、と、提示しかしないように心がけています。どうかあなたのフィルターで、あなたなりに、あなたのタイミングで受け入れていってください。とだけ、思っている。

結婚や子どもをもつことを良しとする時代に生まれた人たち。文化が、時代背景が今とはそもそも違うんですよね。当時の家族観に憧れの気持ちをもち、実際にその通りに家族を作り、そんな1番輝いていた時代が無くなっていくようで、こわくて、さみしくて、耐えられなくて、自分たちの普通が壊されていくようで。それできっとそんな反応をするんだと思います。だから同性愛に対してもあの時代のときのまま、今の時代についてこられずに自分の中の「普通」を振りかざしたひとことを発するんだと思います。

 

わたしにできること

 

わたしは彼女と生きていく人生の中で、幸せを見つけます。わたしにとって全く「普通」じゃない世界で。「普通」という名の個人的な価値観や、過去の時代の誇りを間違って振りかざしてくる人たちがいっぱいいる中で。言い方は悪いかもしれない。でもわたしと彼女が幸せならそれでいいの。

世間的に見たらわたしのママとパパは無知で、自分の価値観をさりげなく押し付けてしまうどうしようもない親なのかもしれない。でも、わたしのことを1番に愛してくれている。幸せを思ってくれている。無知であったとしてもそこには間違いなく愛があり、大好き同士の2人が一緒になったから、わたしが生まれて彼女と一緒に生きている。紛れもない事実だ。わたしはあなたたちのようなふうふになりたい。


だからわたしの幸せを見せることが、1番の説明になるはずだと信じて疑わない。


同性同士で付き合っても、先がないという考えがどうかこの世から消えますように。そのために、同性でも結婚を選択できる世の中になりますように。それを乗り越えたあとにはきっと弱い者いじめみたいに浴びせかけられるに違いない「子孫を残せないじゃないか」なんていう、なめくさった家族観が消え失せますように。そのために、子どもの幸せを1番に考えた里親制度、養子制度がきちんと整備されて、新しい時代になっても、誰の「普通」も壊されることなく、人と人とが尊重し合える幸せな世の中になりますように。