熱帯夜

女として女に愛され愛したい

3度目の夏

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私、このおうちがすごい好きだ。

今日でとりあえず一区切り。一区切りだと思うとブログを書く気になった。本当に毎日よく頑張ったからか、今日ぐらいはと早めに上がることを許された。家に帰ると娘がゆっくりと顔を起こす。人間よりたくさん寝なければならない彼らは、私たちが仕事で出かけているこの夕方にきっと深く眠っているのだろう。暗くなりつつある部屋に、急に明るい光を付けられて眩しそうに目をしぱしぱさせている様子がとてもかわいい。

この家に来てから3度目の夏を迎えた。あれだけ不安がっていたパートナーは、もうすっかりこの地域の人になって同じ方言を自然に使うようになり、土地勘だって私より詳しくなってきた。

引っ越してきた当初、実家が恋しくて泣いているのに何もしてあげられなくて、泣き声だけが大きく響く車内で私は、車のハンドルをしっかりと握ることしかできなかった。でも進むしかないと決意をし、時間が解決するはずだと未来の自分たちを信じてくれた過去の私に感謝している。

仕事に出かける前に私が残した洗い物をしていってくれるから、私は夕方に彼女が食べた後の食器を洗う平日ルーティーン。共働きになってからは、家事を適度に分担することができていて、お互いに気持ちが楽になった気がする。

洗濯物を畳んで、たまった洗濯物を回して、少し愛犬と戯れてから、実家のパパからもらった大葉の収穫に向かう。お庭の日当たりがいい場所に移動させてから、ぐんぐん育って毎日大きくなるので、水をあげにいくのが楽しみだったりする。忘れているとパートナーが代わりに収穫していてくれたりするのでとても助かる。

「きっとこうしたら嬉しいだろうな」

というお互いの気持ちがくすぐったくて心地のいいときもあれば、想像したそれが全く違って空回り、悲しくなるぐらいにすれ違ってしまう日もある。本当に私たちって、ふつうにカップルだなぁ。きっとどこの同性カップルも、こうやって毎日生活をしている。あなたの隣でふつうに。

大葉を収穫していたら雷鳴が鳴り、ポツポツ雨が降ってきて、ふと日常の文章を書きたいと思った。野菜の知識が豊富なパートナーに教えてもらった通りに、大葉の裏に水分をたっぷりと含ませてラップに包み、冷蔵庫にしまう。

書斎に移動し、窓から見える外の景色にうっとりとしてしまう。私は安全な部屋の中で迎える、少し激しめに降る雨がとても好き。このまま一生ここに閉じ込められていたいと思う。

パートナーとの同棲生活を夢見て部屋の内覧に来たときに、秒で決めたこのおうち。この部屋を書斎にして、雨がたくさん降っている景色を想像した。今こうして理想を描いた通りに現実にしている自分がちょっと誇らしくなった。

もしもこのまま雨が止まなかったら、車で迎えにいってあげよう。私の地元で頑張って働くあなたのことも誇らしく思うよ。

コロナの感染流行によって、お互いの価値観がさらに近付いたような気がするこの頃。未知のウイルスに対する予防の意識とか、おうちでの過ごし方とか、ストレスに対しての思いやりとか労いとか。3年前よりもっと家族になっている。

4度目の夏は、どんな文章を書いているんだろう。このおうちのことをもっと好きになっているのかな。変わらない日常が続いていますように。

▼ 昨年の。もっと更新頻度をあげたいですねぇ……。

sultrynight.hatenablog.com