「何があってもこの仕事をやめないでね」
研修の帰り際、先輩に言われた。
やめたくない。異性愛を正しいと教える現場でも、私はこの仕事が好きだから。結婚ばかり勧めてくるあなたでも、この仕事を何十年と続けてきて、今なお良い職種だったと言えることを尊敬しているから。
でも、私は自分のセクシャリティを犠牲にしてまで続けることができるだろうか、と思いながら帰ってきた。結婚していないことの、何がいけないの?子育てしたくてもできない人への悪口ですか?
そういう言葉たちに、慣れすぎていることが、悲しかった。傷つきながら笑うことに、慣れすぎている。慣れすぎて、心の傷を無視した結果、この職業を選んだ私に、どんな結果をもたらすのだろう。
とてもいい人たちを、好きになれないことがつらい。カミングアウトしていないということは、その人が苦手になってしまう原因になる。自分から公表しない限り、性的指向が伝わらないことに、とてもストレスを感じるので、その分給料をあげてくれ。
私は、この仕事が好きだ。好きだけど、目指したときには知らなかった。自分が女性を好きになり、パートナーとして一緒に過ごしていきたいと思うということを。だから、この職に就いてしまって、楽しいのにとても苦しい。私は子どもたちに嘘を教えている。私自身が、嘘だからだ。
私のセクシャリティは、私の一部だ。私の全てがレズビアンではない。でも私の中に確かにレズビアンという性的志向がある。それを違うと否定され続けて、鬱にならない方がおかしいだろ。って思っちゃうんだよね。
自分のありのままで働ける、「一人なのになんで早く帰るの?」なんて聞かれない職場に行きたい。贅沢なのは、分かってる。でも、この感情をどうしたらいいですか?家族を守っていくために、私は嘘をつき続ける覚悟ができているけれど、結婚できないのに結婚しない理由を聞かれることは、本当につらい。
とても辛かったから、デートしたときのブログよりも先に、こんな記事をあげてしまった。誰かも同じ思いをしているのかな。同じ地球に生きていて、なぜ同性愛者であることを隠している人と、隠していない人がいるんだろう。なぜ結婚できる人と、できない人がいるんだろう。なぜ、子育てができる人と、できない人がいるんだろう。
早く、帰ろう。今日は1日疲れた。多分、明日もその次もずっと疲れる。どこか遠くへいきたい。でも、家には私の大事なパートナーと愛犬が待っているから、帰る。一緒の布団で眠るときが1番の幸せで、そのとき以外は私に真実の人生が許されていないから生きているのか死んでいるのか、分からない。
最悪。新しいMacBookでこんな暗い記事を2つめに書くことになるなんて。明日は書きかけの楽しいデート記事をあげたいな。さようなら。
私が作ったと嘘をつかなければならない。日本のバレンタインなんていう文化とは程遠い生活を送っているということを明かせない嘘。習わしに従わないと浮いてしまう変な世界。そこで仕事ができているのは、本当に私の『家族』であり『妻』のおかげなんです。とても美味しいクッキーでした。
— mira (@mirara_L) 2019年2月13日