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熱帯夜

男も女も犬も子どももいる世界で過ごす、私、miraの物語。

【読書感想】『夜を乗り越える』又吉 直樹 著

book LGBT

わたしの想いをプライベートに自由に綴るという名目で始めたこのブログ…長続きしているほうです。わたしにしては。これからものんびりまったり、自分の言葉で綴っていこう。さてさて、今日も仕事場で赤ちゃんや新婚の話になって辛かったmira(@mirara_l) です。相変わらず秋花粉にやられています〜鼻が詰まる〜。

 

又吉直樹という人物のイメージが変わった

 

今日も今日とて本の紹介。『夜を乗り越える』です。お笑い芸人の又吉先生が書かれた本ですね。中身はエッセイに近い感じでしたよ。読みやすかった。

わたしは他人がなぜ本を読むのかということに非常に興味があります。自分がなぜ本を読むのか以上に。筆者にとっての読書の醍醐味は、本の登場人物の感情に共感することだと言います。そして自分が持っていなかった新しい感覚や感情を発見できることも魅力のひとつだと。確かに、言葉にできないであろう複雑な感情がばっちり文章になっていたら、静かに興奮します。

あと印象的だったのは、決してLGBTについて話しているわけではないのですが、この人はアライ的な考えを持っていて好感が持てるなあ、と思う箇所が多かったことかな。

 

いや、あなたの世界が完成形であって、そこからはみ出したものは全部許せないというそのスタンスってなんだろうと思うんです。あなたも僕も途上だし、未完成の人間でしょう。それをなぜ「共感できない」というキーワードで決めつけてしまうのか。「共感できない」という言葉でその作品を規定しない方がいいと思うんです。むしろわからないことの方が、自分の幅を広げる可能性があります。(―116ページ)

 

わからないものを否定して拒絶を続けるなら、その先は争いしか生まれないと思います。自分と考えの違う人間や文化をも拒絶することになってしまう。それは本当につまらないことだと思うんです。すべてに共感するのではなく、わからないことを拒絶するのではなく、わからないものを一旦受け入れて自分なりに考えてみる。(118ページ)

著者は本、とりわけ読書をすることに対しての考えを述べているのですが、わたしと似たセクシャリティを持った人なら、なんだか安心するような、とにかく理解を示したいような、そんな感覚になりませんか?LGBTにとってのアライだけでなく、どの場面でもこういう考え方ができる人って、頭がいいなって思うんです。こういう人と友人になりたい。

悩むことは大切です。正解、不正解だけではなく、どうしようもない状況というのが存在することを知ってほしい。世界は白と黒の二色ではなく、グラデーションです。二択ではありません。二次元ですらありません。それを表現するために言葉があり、文学があります。(―122ページ)

 

なぜ多様な視点や考え方を持つ必要があるのか。極論を言うと全人類が同じ考え方しか持っていないとしたら、ひとつの失敗で全員が死ぬからです。(―136ページ)

 

多様であるということは自分とは違う他の意見も尊重するということです。(―136ページ)

 

人は人、自分は自分という考え方はある意味逃げです。自分が思い描くように伝わらなかった場合、どのような考え方を社会にぶつければ自分が思い描いたことが正しく伝わるのかをまた考えなくてはいけない。(―139ページ)

こういう、文学的な考え方ってなんだか好きなんですよねぇ。人によっては「ふーん」で終わりそうなことを真剣に考える作業がもともと好きなのかもしれない。本の読み方にはもちろん、LGBTな立場から見た考えにも共感できる部分があって、とても楽しく読めました。この共感こそが、著者の言う読書の醍醐味なんですね。

まだね、『火花』読んでないんです。
読みたくなっちゃったな。

夜を乗り越える(小学館よしもと新書)

夜を乗り越える(小学館よしもと新書)