熱帯夜

女として女に愛され愛したい

人気番組に思うこと

わたしは『鶴瓶の家族に乾杯』という番組が嫌いです。嫌いになんてなりたくないのに、嫌いなんです。わたしのセクシャリティはレズビアンです。相手が女性でなければ、恋愛対象になりません。……これで、分かるかしら。

もちろん、自分が異性愛者の母親と父親から生まれたことは理解した上での発言です。両親に愛情深く育てられたことを誇りに思っていますし、家族というものは生活の基盤となるものだから、そこに安全基地があって生活を営むというのは大切なことだとも思う。わたしもそんな、他の人から乾杯されるような家族を作っていきたい。女性同士で。

でもこの番組では、異性愛の家族しか出ているところを見たことしかありませんし、そんな伝統的な日本の家族像を押し付けられているような気がして苦しいんです。恋愛結婚の末、子どもを作り、立派に育て上げて、いずれ旦那の元に嫁がせて、その子が孫を産んでおじいちゃんおばあちゃんの家で“家族団らん”で過ごす、そんな映像がずっと流れている。これが実家の食卓で流れていて、父親が幸せそうに涙を浮かべながら見ているのを見るのが、苦しい。とても、苦しい。

鶴瓶さんは果たしてどんな家族にでも、乾杯してくれるのでしょうか?例えばわたしが女性を愛していて、新しい家族になりたいと思っていることに対して、どんな編集がなされて、どんな風に流れるんでしょうか。考えるだけ、無駄だと思ってしまう。この番組を見ている父へ、母へ、妹へ。少し冷たい態度になってしまうわたしを許してほしい。

レズビアンであるわたしが素直な気持ちで、どんな家族にも乾杯できる未来って……本当に日本にくると思う?見るだけで卑屈になってしまう番組です。